「平成28年10月19日掲載」
知って得する税の寺子屋
Q.生命保険の掛け方によって、受け取った保険金にかかる税金が違うそうですが、どのように変わってくるのでしょうか?
————————————————————————————————————————————————-
A.生命保険契約の受取保険金については、掛け方によって税金の取り扱いが異なるので注意が必要です。
(1)死亡保険金の場合
①契約者(保険料負担者)が被保険者で保険金受取人が契約者以外の者である場合
保険金受取人が受け取った保険金は相続税の課税対象となります。
受取人が相続人の場合には相続人1人につき500万円の非課税枠があります。
②契約者(保険料負担者)が被保険者以外の者で保険金受取人が契約者である場合
保険金受取人は保険料負担者と同一のため、被保険者死亡に伴う保険金は所得税(一時所得)の課税対象となります。
③契約者(保険料負担者)が被保険者以外の者で保険金受取人が契約者でない場合
保険金受取人は保険料負担することなく被保険者の死亡により保険金を取得することから贈与税の課税対象となります。
(2)生存保険金(満期・解約保険金)の場合
契約者(保険料負担者)に対して支払われた保険金は所得税(一次所得)の課税対象となります。
(注)契約者と保険料負担者が異なる場合には贈与税の課税対象となります。
————————————————————————————————————————————————-
生命保険契約は掛け方によって相続税などの対象になるものがあります。
①の死亡保険金について相続人1人につき500万円の非課税枠や年金保険に対する課税などです。
また②のケースで契約者に保険料相当額を贈与税の非課税範囲内で贈与し、契約者が死亡保険金を一時所得として受け取る事で相続税の納税資金として利用することなどできます。
この他、保険金受取人についても注意が必要です。
受取人に配偶者を指定した場合、配偶者は相続税の軽減があるため必要な納税資金は少ないケースが多く、
逆に子供は軽減措置がないため多額の相続税が発生し納税資金が必要となります。
受取人の指定を誤ればせっかく保険加入していても必要のない所に保険金が行くことになります。
どの契約形態が良いかは家族の財産構成によっても異なります。
さまざまな目的・用途に活用できる生命保険、現在加入している保険内容を見直して無駄のない手当をしておきたいものです。