「平成30年3月20日掲載」
知って得する税の寺小屋
Q.確定申告の準備をすっかり忘れており、期限に間に合いそうにありません。間に合わなかった場合どのような手続きが必要となりますか?
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A.通常所得税の確定申告は前年分の所得について、翌年の2月16日から3月15日までの間に申告を行います。
申告期限を過ぎてしまった場合の手続き、取り扱いは以下のとおりです。
①還付申告の場合
申告すれば税金が還付される場合(医療費、寄付金などの控除や住宅借入金控除など)には、
その年の翌年1月1日から5年以内に申告すれば通常の確定申告同様に計算が行われ税金が還付されます。
②納税が発生する場合
申告により納税が発生する場合には、申告期限後に提出した申告書は期限後申告として取り扱われます。
期限後申告の場合、以下のペナルティーが発生しますので注意が必要です。
イ.無申告加算税
納税額に対して50万円までは15%、50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した税金が課されます。
(申告期限から1カ月以内に申告を行い、期限内に納税が完了していてさらに過去5年以内に期限後申告をしていないなど、一定の場合には課されないことがあります)
ロ.延滞税
期限後申告書を提出した日の翌日から納付日までの期間に応じて年14.6%※(納期限の翌日から2カ月以内は年7.3%※)の税金が課されます。
※特例基準割合で計算した税額といずれか低い税額となります。
ハ.青色申告
事業所得(事業的規模の不動産所得を含む)を生ずる青色申告者が正規の簿記の原則に従って、
帳簿書類を作成した場合に控除することができる青色申告特別控除(65万円)が受けられなくなります。
10万円の控除は受けられますが、期限後申告になるだけで55万円も控除額が少なくなります。
また、2年連続して期限後申告を行うと青色申告の承認を取り消される可能性があります。
青色申告の各種特典(青色事業専従者給与や純損失の3年間繰越など)が受けられなくなります。
申告期限を過ぎてから申告した場合、得することは一つもありません。
たった1日の違いでも納税額に大きな差が出る可能性があります。
書類の準備など煩雑な作業が多い確定申告ですが予定を立てて期限までに終わるように心掛けましょう。